精密板金とは、ステンレスやアルミの板材をレーザー加工機やプレスブレーキ、あるいは溶接など様々な機器を使って一つの製品(筐体)に仕上げていくことを言います。世の中にある電子機器・医療機器・産業機器などは、すべてこの精密板金の技術が使われていると言っても過言ではありません。
また、精密板金は他の板金加工に比較して、見た目・外観などが厳しいことが特徴として挙げられます。特にクリーンな環境下での使用が想定されている機器、あるいは美観が重視されるような製品のカバーなどは、キズひとつ許されません。代表的な製品には下記があります。
では、精密板金の外観を損なう可能性のある、代表的な発生原因を見ていきましょう。
項目 | 代表的な発生原因 | 対策の一例 |
---|---|---|
キズ | 抜き・曲げ加工時のキズ | 保護フィルム、ウレタンシート |
汚れ | タップ加工時の油、バリ取り後の粉塵 | 脱脂洗浄、エアブロー |
ムラ | バフ磨き、電解研磨、塗装 | 丁寧な施工、基準の確立(限度見本) |
歪み | 溶接 | 溶接しない、熱影響が少ない溶接方法 |
上記のように精密板金を作る上で様々な要因があるのですが、実は、きれいな精密板金を作る上で、もう一つ重要なポイントがあります。それを表したものが下記の式になります。
キレイな精密板金を製造する上で不可欠な要素
もちろん、丁寧な仕事でキズのない精密板金を作る能力の高い工場を選定することも重要ですが、それに加えてよい設計を行うことが、精密板金の品質を向上させることに繋がるのです。